金と銀の読書録 

書評ブログ。アウトプットアカウント

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしは孤独な星のように 池澤春菜    キラッとセンスが光るSF短編集 

池澤春菜さんの『わたしは孤独な星のように』は、斬新なアイデアと繊細な描写で見逃せない作品です。 この短編集には7つの物語が収録されており、それぞれが独特の設定や視点から描かれています。 特に、「糸は赤い、糸は白い」は、人間と粘菌の奇妙な共生関…

柚月裕子『検事の信義』          シリーズの魅力を味わうには読む順番が大切です!

友人から勧められ、知識もなく『検事の信義』を読み始めましたが、途中でこれはシリーズの途中の話だと気づきました。 短編が4編収録されており、それぞれ独立して楽しめるものの、初めて読む読者としては全体の面白さを完全には感じ取れませんでした。 主人…

「マイクロ農業」のすすめ 森永卓郎   小さな農業が生み出す大きな安心感

最近読んだ森永卓郎さんの本『マイクロ農業のすすめ』についての感想です。 この本は、現代社会が抱えるさまざまな問題を解決する手段として、「マイクロ農業」が有効であるという考えが詰まった一冊です。 まず、この本の中で取り上げられている「マイクロ…

あっという間に人は死ぬから  佐藤舞     自己分析と時間術を楽しく学べる一冊

今年のビジネス実用書の中で、私がもっとも「腹落ち」した本が佐藤舞さんの『あっという間に人は死ぬから』です。この本は、自己分析ややりたいこと探し、そして時間管理に関する書籍としては非常にコスパが良く、読めば一冊ですべてが説明できると感じまし…

破獄 吉村昭  実話をもとにした伝説の脱獄犯の物語

今回紹介する『破獄』は、戦前戦後の社会が大きく揺れ動いた時代を背景に、4度の脱獄を成功させた無期懲役囚の実話をベースにした小説です。 脱獄犯の緊迫感あふれる行動と、それを阻止しようとする看守たちとの心理戦が、一気に引き込まれました! 『破獄』…